任脈は「陰経の海」といわれ、諸陰経を統括する作用をもちます。その流注により、経穴の主治は①泌尿・生殖器系の諸症状②消化器系の諸症状③胸部の心肺疾患や頚部の咽喉疾患、顔面下部の知覚・運動障害等の三つに大別ができます。この中で特に下腹部の諸経穴は泌尿・生殖器系、婦人科の疾患に腹部の諸経穴は消化器系の疾患によく用いられます。一部の経穴は強壮作用や沈静安神作用を持っています。
督脈は「陽経の海」といわれ、諸陽経を統括する作用をもちます。その流注により、経穴の作用は生体の陽気を鼓舞させることです。具体的には頭項部の鎮静作用、上背部の呼吸・循環器系の調節、中背部の消化器系、泌尿器系及び腰椎の疾患の治療、腰仙骨部の生殖器系や婦人科の疾患の治療に大別されます。