「オキシトシン」は、「愛情ホルモン」とか「幸せホルモン」とか「絆ホルモン」とも呼ばれるホルモンで、マッサージを受けて気持ちいいと感じることで分泌されます。「オキシトシン」は人の脳で合成され、分泌される物質で、主にホルモンや神経伝達物質としての働きがあります。脳から分泌される「オキシトシン」は、親しい人と触れ合ったり、愛情がこもった皮膚刺激を受けたりすることで分泌されます。スキンシップによって増大する「オキシトシン」は、安らぎを与え、ストレスを緩和し、母子の絆を深めたり、人との信頼関係を築いたりということにつながっています。家族とのだんらんや心を許せる友人との食事や会話、またペットとの触れ合いなどでも「オキシトシン」は分泌されます。「オキシトシン」は、身体をケアしたり心をメンテナンスするときに必要なホルモンで、副交感神経にスイッチが入った時に分泌されます。ただし、セルフマッサージでは、「オキシトシン」は分泌されません。「オキシトシン」の分泌量が増えると、自律神経のバランスが整ってコンディションがアップしたり、穏やかで明るい気持ちで過ごせたりするものです。他者を信じて絆を深めたり、人間関係を柔和にする力も持っています。これとは、対極の関係にあるのが、「テストステロン」です。男性ホルモンとして知られる「テストステロン」は、この「オキシトシン」とは対極の関係にあります。「テストステロン」は、記憶力・集中力・決断力・判断力などの知的機能の向上をつかさどるホルモンで、能動的な活動に対して力を発揮するホルモンです。「テストステロン」は、筋力を増加させたり、男らしさを増やしたりしますが、同時に競争するパワーや闘争本能をも助長させ、攻撃性をもたらすこともあるホルモンです。人間の精神状態は、「テストステロン」と「オキシトシン」のバランスによって保たれており、どちらか一方に偏っても社会性を阻害することにつながります。頑張るときには頑張るけれども、しっかり休む時には休む必要があるということでしょう。