東洋医学では、身体を細胞の寄せ集めと捉えます。一つの細胞が元気な状態でいるには、「気・血・水」の3つの要素を必要とします。簡単に説明するなら、気は目に見えないエネルギー、血は血液、水は水分です。コリをとるためには、筋肉を圧迫することで血の循環を上げることにほかなりませんが、血の循環だけを上げても、他の要素「気・水」は、そうなのでしょうか?この場合、「水」は、おおむねリンパをさします。リンパ管は、筋肉よりも皮膚に近い浅い層に張り巡らされていますので、皮膚をさすったり、なでたりすることでリンパは循環します。ちなみにオイルを使用する使用しないは問題ではありません。オイルを使用するのは、滑らかなタッチの表現や皮膚を傷つけないための配慮にすぎないからです。つまり、通常のこりほぐしボディケアでも、筋肉への圧迫と同時にリンパへの刺激を行っていることになりますから、血の循環と同時に水の循環も行っているということになります。問題は「気」です。「気」は、目に見えないので、胡散臭いものと思われることが多いものですが、経絡や漢方などの伝統医学を語るうえで、切り離すことができない重要なファクターであることも否めません。「気」はエネルギーです。つまり、波動です。他の表現に言い換えるなら、それは、振動数であり、周波数です。エネルギーを通すということは、経絡やセンなどのエネルギーラインに沿って「気」が流れているわけですから、これは、筋肉に対するアプローチではありません。エネルギーラインは、筋肉であろうが骨であろうがおかまいなしに身体の中を通っているとされているからです。「気」を調整するためには、力いっぱい筋肉を圧迫することではなく、エネルギーラインに沿って、そこを温めるような感覚でそっと触れたり手をかざしたりすることが必要になります。つまり、凝りほぐし系のボディケアとは全く違ったアプローチを行う必要があります。そして、難しいのは、セラピストが自分の筋力を使ってしまうことで、セラピストは「気」のコントロールができなくなってしまうことです。力を使うと気がコントロールできなくなり、逆に力を抜くと圧が入れられなくなるという反作用の関係性が生じてきます。それでは、そうするのか・・・。力を入れずに圧を掛ける方法で行わなければならないということになります。それをマスターすることができれば、「気血水」すべてを同時に調整することができるようになるということになります。コリを軽減させると、だらーっとして眠くなります。エネルギーを調整すると、身体は軽くなり軽やかになります。気血水の全てを調整すると、疲れが取れて、身体が楽になって、身体が軽くなって、可動域が広がり、背筋が伸びて、活力までも湧いてきます。